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2001年の科学リテラシー調査----解答10

2001年科学リテラシー調査』の解答です。

問題
下記の文が正しいか誤っているか答えよ。
『現在の人類は原始的な動物種から進化したものである。』


正解は、『正しい』なんだけど、ちょっと、、、、

『進化』そのものは、確実に真実であると考えられるので、『正しい』を正解としました。

進化というアイデアは、科学から生まれました。
そして地球上では、科学はキリスト教圏でのみ特異的に発達しました。
日本にも、関孝和や平賀源内、浮田幸吉などがいましたが、それが科学として一般化することはありませんでした。
日本刀を可能にした優れた冶金技術、鍛造技術は、金属工学にはなりませんでした。
日本酒を造るための複発酵技術は、醸造学にはなりませんでした。
関孝和は関流和算、平賀源内は芸事、浮田幸吉は牢屋に入れられてしまい、鍛造や酒造は、伝承技術になり、どれも一般化はしなかったのです。
同様のことは、恐らく日本以外の非キリスト教文化圏でも起こったことでしょう。
つまり、科学という文化は、キリスト教の強い影響下で発達したものであり、そして多分、キリスト教の影響下でなければ、それは科学になり得なかった、ということです。
具体例を1つだけ上げます。
物理学の目標の1つに『大統一理論』があります。
すべての物理現象を、1つの方程式で表そうという目論見です。
まだ、達成されていません。
しかし『一つの方程式で矛盾無く説明する』ということに皆が美しさを感じ、その目標自体を疑う物理学者は、恐らくいないでしょう。
これ、一神教と同一の深層心理がはたらいてはいないでしょうか?
進化というアイデアも、キリスト教圏内で生じ、発達したものなのです。

さて、問題文を見てみましょう。


下記の文が正しいか誤っているか答えよ。
『現在の人類は原始的な動物種から進化したものである。』

この問題文を書いた人は、『人類=高等、他の動物=原始的』と前提しています。
『人類は他の動物より高等である』と考えている、ということです。
実はこれ、ダーウィンが『種の起原』を発表したときに起きた、進化論にたいする反感と、根が同じなのです。

ダーウィン猿

この絵は、進化論を風刺したものです。
『人=高等、サル=劣っている』という香り芬々です。
キリスト教では、『人は、神に似せて造られた被造物』、サルと一緒にされてはたまらない、ということでしょう。
この考えは、つい最近まで、科学の中にも根強くありました。
だから、ヒトの生物学上の分類を『霊長目』とよんでいたのです。
いかにも偉そうですね。
しかし、今では『サル目』という言い方が一般的です。
研究すればするほど、『ヒトとサルは変わらない』ということがわかってきたからです。
『ヒトはサルの一種』なのです。(これを上の絵を描いた人が聞いたら、どんな顔するでしょうね?)
私には、この『サル目』という言い方に、『科学のキリスト教からの独立』が見えるのですが、どうでしょう?
科学が魔術から独立したのと、同じくらい大きな出来事だと、思っています。
すると、『現在の人類は原始的な動物種から進化したものである。この文は正しいか?』と書いた人は、いまだにキリスト教の影響から抜け出ていないことになります。
残念な問題ですね。


『ヒト以外にも高等な生物がいる』ことを具体的に考えさせる入試問題があります。
時間のあるかたは、ぜひ御覧下さい。
開成高校入試問題(2003)より

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

>私には、この『サル目』という言い方に、『科学のキリスト教からの独立』が見えるのですが、どうでしょう?

これはちょっと事情がありまして、1988年に文部省が「学術用語集動物学編」において、目以下の名称をすべてそれぞれの動物群を代表する動物名に変えるという方針を示したことに由来します。
いわば役人が勝手に決めたルールですが、これによって食肉目はネコ目、奇蹄目はウマ目、齧歯目はネズミ目と称されるようになり、例えばイヌはネコ目イヌ科イヌ属という一般人にはわけのわからぬものとなりました。
この改定の評判はすこぶる悪い。
私もこの分類呼称は大嫌いなので普通は絶対に使わないのですが、進化論がらみのヒトの分類に関してだけは、意図的に「サル目」という呼称を使っております。
もちろんヒトがサルの一種であるという主張を明確にするために。
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Author:緑虫
本名は麻生 隆。
理科教室を開設します。

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