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2011東京都立高校入試理科解説

問題
2011tri1 2011tri2 2011tri3 2011tri4 2011tri5 2011tri6 2011tri7 2011tri8 2011tri91 2011tri101 2011tri11 2011tri12 2011tri-a


〔問1〕道管と師管の配置は、茎の断面が基本です。これを茎から枝分かれした葉まで伸ばせば、自然と、葉の維管束(葉脈)では、道管が表側、師管が裏側になります。イメージは下図の通りです。
  道管と師管
赤インクを吸うのは、水を吸い上げる道管ですから、赤く染まるのは、葉の表側です。
〔問2〕水の電気分解の化学反応式は、
     2H₂O → O₂ + 2H₂
こうなります。また、水は、わずかに次の式のように電離しています。
     H₂O → H⁺ + OH⁻
ですから、プラス極側と、マイナス極側に発生するそれぞれの気体は、次のようになります。

                 +極        ー極
   気体の種類       酸素(O₂)     水素(H₂)
   気体の体積         1    :    2

『A』は、プラス極で、気体の体積もマイナス極より少ないですから、酸素であると分かります。
それぞれの選択肢の反応と発生する気体は、
 ア 2Ag₂O → 4Ag + O₂   酸素
 イ 2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + CO₂ + H₂O   二酸化炭素
 ウ 2HCl + Mg → MgCl₂ + H₂   水素
 エ CuCl₂ → Cu + Cl₂   塩素
〔問3〕力の矢印の支点は作用点ですから、物体と糸のつなぎ目です。『物体が糸を引く力』というのは『重力』のことですから、鉛直下向きです。
〔問4〕A、B、Cというのは、それぞれ、20℃、40℃、60℃での飽和水溶液のことです。ミョウバンをはじめ、ほとんどの固体は、水温が高いほど溶ける量は増えます。一部、水酸化カルシウムのように、温度が高いほど溶解度が下がる物質もあります。
〔問5〕天体望遠鏡で観察したのなら、上下左右が逆になっていますが、この問題では『双眼鏡』を使っているので、そこは考えなくてすみます。図4では、右側が半分だけ光っています。地球から見て、右側は半分だけ太陽に照らされているのは『イ』です。問題用紙を90度回転させ、地球を手前側にすると解りやすいですよ。
〔問6〕脊椎動物の体温と呼吸、生まれ方を下に示します。

      魚類  両生類(幼生)  両生類(成体)  爬虫類  鳥類  哺乳類
 体温   ←ーーーーーーーーーーー変温ーーーーーーーーーー→  ←ーー恒温ー→
 呼吸   ←ーーーエラーーーー→  ←ーーーーーーー肺ーーーーーーーーーーー→
 生まれ方 ←ーーーーーー殻のない卵ーーーーーーー→  ←殻のある卵→  ←胎生


〔問1〕まるで国語の読み取り問題ですね。温室効果ガスは、地表から受け取った熱を捉え、宇宙へ逃がさず、地表へ返す、ということです。
〔問2〕グラフの一番左が1998年の1月のデータです。どの年も4月に最もCO2濃度が高くなっています。冬は光合成が不活発になるので、植物のCO2吸収量が減るからです。夏には植物は葉を広げ、盛んに光合成をするため、CO2濃度は低くなります。
〔問3〕光合成の式は、以下のようになります。

  二酸化炭素 + 水 → 有機物 + 酸素
            ↑
         (光)エネルギー

上の式にある二つの矢印を逆転すると、呼吸の式になります。光合成と呼吸は逆反応なのです。ですから、光合成で得た有機物を燃焼(呼吸)して排出される二酸化炭素は、光合成で吸収した二酸化炭素と同量なのです。だから、夏の間に光合成でため込んだ有機物を、冬に燃焼させたり、呼吸に使っている分には、二酸化炭素濃度は、1年周期で波打つだけで、増えも減りもしないのです。二酸化炭素濃度が上昇するのは、『去年光合成して得た有機物』だけでなく、『何億年も前に何千万年もかけて光合成して得た有機物(化石燃料)』を燃焼させているからです。
〔問4〕まるでコージェネレーションシステムを推奨するかのような設問ですね。ウの燃料電池の化学反応式は以下の通りです。
  2H₂ + O₂ → 2H₂O
これは水素の燃焼です。このとき出てくるエネルギーを、電気エネルギーの形で取り出すのが、燃料電池です。『発生する物質がない』のではなく、『無害な水しか発生しない』のです。


〔問1〕初期微動というのは、図1のグラフのaとbの間の、小刻みな揺れのことです。これが続く時間のことを初期微動継続時間と言います。aもbも直線ですから、直線にはさまれる間隔も、距離に比例します。主要動の振幅は、一般的には震源からの距離が遠ければ小さくなります。『距離、時間に関係無く一定』だったら、一度の大地震で、地球上の建物はすべて破壊されてしまうでしょう(笑)。
震度は、観測地点での揺れの大きさです。マグニチュードは、解答では『地震そのものの規模』となっていますが、『地震が発するエネルギーの大きさ』としても正解でしょう。
〔問2〕中央のグラフが読み取りやすいと思います。S波はbのグラフです。55kmを18秒かかっています。
    55[km]÷ 18[秒]=3.0555…[km/秒]と、なります。
〔問3〕この設問では、緊急地震速報は、発表から時間経過無しで(0秒で)どこにでも伝達される前提になっています。このことは、問題文中に書いておいて欲しかったですね。
それぞれの伝播速度を次の通りです。
    S波:〔問2〕より、3km/秒
    P波;グラフaより、60[km]÷10[秒]=6[km/秒]
下図を見て下さい(説明のための図なので、目盛りの幅は正しくありません)。

東京2011-3
地震発生からの経過時間を時刻とします。地震発生と同時にストップウォッチをonにしたということです。
12km地点にP波が到達する時刻は、
    12[km]÷6[km]=2[秒]です。
緊急地震速報を発表するのは、その5秒後ですから、その時刻は、
    2[秒]+5[秒]=7[秒]です。
90km地点に主要動が到達する時刻は、
    90[km]÷3[km/秒]=30[秒]です。
緊急地震速報は瞬時に(0秒で)伝達されると考えると、発表から、90km地点で主要動が観測されるまでに、
    30[秒]ー 7[秒]=23[秒]の時間があることになります。
これだけ時間があれば、ガスの火を消したり、机の下に隠れることができますね。


〔問1〕図3を見て下さい。細胞どうしは塩酸の影響で離れています。しかし染色体は、根のどの部分でも離れているわけではありません。顕微鏡では、倍率が高いほど視野は狭くなります。ですから、観察の最初には、対象物を探しやすくするため、視野の広い低倍率で観察して、見たいものを視野の中央にもってきます。その後、高倍率で観察するのです。
〔問2〕細胞分裂のストーリーを頭に入れておきましょう。
   細胞分裂
図はコチラからの引用です。
  ① 核がほぐれて染色体が現れる。
  ② 相同染色体が対になり、細胞の中央にならぶ。
  ③ 相同染色体が分かれて、両極に引っ張られる。
  ④ それぞれが核、細胞になる。
ですから、A~Eは、『A→E→B→D→C』と、ならびます。
染色体の本数は、分裂の前後で変化しません。こういう設問を見ると、私は『田分け』という言葉を思い出します。
〔問3〕図2Cの⑤の付近にある成長点で、細胞は分裂して数を増やします。これだけだと、個数は増えますが、それぞれの細胞は小さくなるだけなので、根は伸びません。分裂後、①②③付近で細胞が伸長することで、根が伸びるのです。図3からも、このことは読み取れます。タマネギはユリ科の植物で、葉脈は平行脈、根はひげ根状の単子葉類です。


〈実験1〉(1) の化学反応式は、下のようになります。
    2NH₄Cl + Ca(OH)₂ → CaCl₂ + 2NH₃
また、刺激臭とリトマス紙の色の変化(アルカリ性)からも、発生する気体がアンモニアであることがわかります。
〔問1〕アンモニアを捕集する実験です。〈実験2〉で、フラスコ内に水が吸い込まれたのは、少量の水に、多量のアンモニアが溶け込んだからです。アンモニアは、極めて水に溶けやすい気体なのです。1mlの水に、600ml以上溶けます。また、アンモニアは、空気より軽いです。
   水に溶けやすい → 捕集に水は使えない
   空気より軽い  → 上方置換
と、考えてください。ガラス管の先を、試験管の奥まで差し込んでおくのも、ポイントです。
選択問題は、『気体が液体に溶けることで、体積が小さくなる』ことによって起こる現象を選べばよいことになります。二酸化炭素は、比較的水に溶けやすい気体です。25℃の水1mlあたり、約1mlの二酸化炭素が溶けます。
〔問2〕〈実験3〉では、酸性の塩酸に亜鉛を反応させています。発生する気体は水素です。ここにアルカリ性のアンモニア水を加えていく実験です。酸にアルカリを加えるのですから、性質は
    酸性 → 中性 → アルカリ性  と、変化します。
このときBTBの色は、
    黄色 → 緑色 → 青色 です。
酸が弱まり、中性、アルカリ性と変化するのですから、亜鉛と酸の反応も次第に弱まり、やがて止まってしまします。
〔問3〕問題の図4を、そのまま元素記号に置き換えてみましょう。
2011東京図4小

 H Cl  +   N H H H H O H  →    ①    +  HHO(H₂O)

①にあてはまるのは、上の式の左辺から、『HHO』を除いたものです。また、『塩を構成する原子の種類を』とあるので、個数は無視して『H Cl N』と書けばよいことになります。


〔問1〕電圧計の端子は15Vを使用しているのですから、図2の電圧計は、5Vを指しています。図1のグラフより、5Vの電圧をかけると電熱線Yには、0.4Aの電流が流れることがわかります。すると、図3の電流計は、0.4Aを指していることになります。よって、使用している端子は0.5A=500mAということになります。また、電圧計は並列、電圧計は直列につなぎます。
〔問2〕図1のグラフより、
    電熱線Xの抵抗:10[V]÷ 1.0[A]=10.0[Ω]
    電熱線Yの抵抗:10[V]÷ 0.8[A]=12.5[Ω] です。
よって、その比は、
    10.0 : 12.5 = 4 : 5  と、なります。
単に、『抵抗が大きいほど流れる電流は少ない』と考えても、問題ないですね。
ここで、図4、図5をまとめてみましょう。

          図4(電熱線X)  図5(電熱線Y)
    電圧       1    :    1
    抵抗       4    :    5
    電流    1÷4=0.25   :  1÷5=0.2
    電力    1×0.25=0.25 :  1×0.2=0.2

発熱量は電力に比例しますから、電力の大きい電熱線Xの方が、水温を高くすることになります。
〔問3〕直列回路は、枝分かれも合流もありませんから、どこも流れる電流の量は等しくなります。そして、『等しい電流を流すためには、抵抗が大きいほど、大きな電圧をかける必要がある』ので、抵抗の大きな電熱線Yには、より大きな電圧がかかることになります。

           電熱線X    電熱線Y
    電流      1   :   1
    抵抗      小   :   大
    電圧      小   :    大
よって、電力    1×小=小  :   1×大=大

このため、電熱線Yの方が、水温が高くなるのです。

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Re: 問題についてどう思います?

こういうコメントは嬉しいです。
次はぜひ、HNで構いませんので、公開コメントねがいます。見に来た方の勉強にもなると思いますので。

2〔問3〕について。
この問題のポイントは〈レポート3〉と設問がほとんど無関係だということだと思います。『植物のからだをつくる有機物を生産するために取り込んだ二酸化炭素の量』もきちんと定義もされていません。これを『過去に呼吸で酸化してしまったからだの一部』も含むと考えると、現在のからだの有機物を燃やしても、発生する二酸化炭素は『植物が、植物のからだをつくる有機物を生産するために『今までに』取り込んだ二酸化炭素の量より少ない。』となり、ご指摘の通り、選択肢に正解はありません。
これを『現在のからだをつくる有機物を生産するために取り込んだ二酸化炭素のみ』と考えれば、それを酸化分解して発生する二酸化炭素の量は、等しくなります。

〔問4〕について。
まったくご指摘の通りです。①~③は発電方法なのに、④だけは発電の排熱利用システムです。並列に並べられるものではありません。

今年の東京都の問題は、全体的に『作問に不慣れ感』満載です。
優秀な受験生ほど戸惑ったでしょうね。

過去に模擬試験の問題を作る仕事をしていた私としては、人間がやることなのだから、間違いはあって当たり前、と思っております。れではイケナイのですけどね。

刺激をありがとうございました。またの訪問お待ちしております。

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Re: ブログでのコメント

ア◯◯リさん、コメントありがとうございます。
とりあえず今は、疲れを取るためにも、ゆっくりダラダラすごすのがいいと思います(笑)。
果報は寝て待つのがよいかと。

No title

こうしたページによって悪問が減り、良問が増えるとこちらも教えGuyがあるんですがね。
東京都の入試問題は批判を今まで受けてこなかったから(こういう研究するページがなかったから・・・)変な問題がでてきます。

東京都の入試問題を長年研究していると特に2分野で癖のある方が作成しているようですね。
地震速報の問題にしても、なんか分かりにくい表現。理科の力は測定できない問題です。それをさらに分かりにくくしているのが図2ですね。

あと、2〔問3〕については、さらに問題なのが種のことについて書いていませんから、たとえば重いヤシの種なんかは、発芽してすぐ枯れたとすると明らかに吸収した二酸化炭素は微量となります。

来年の入試問題はどんなだめだしや議論ができるか?今から楽しみです。
プロフィール

緑虫

Author:緑虫
本名は麻生 隆。
理科教室を開設します。

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